ルーの炒め方によって、粘度が変わる

【ルー】
クリームスープやソースなど、小麦粉を利用して粘りをつける料理に使われる。小麦粉中のでんぷんの働きを利用したもの。
ここでは、小麦粉をバターで炒めたものを指す。
ルーはバターを熱し同量から倍量の小麦粉を加え、攪拌(かくはん)しながら加熱するが、はじめはかたまったような状態のものが流れるような状態に変化する。


バターと小麦粉を同量使い、バターが溶け40℃になったところへ小麦粉を入れて各温度まで炒めたもの


上記のルーを使い牛乳に濃度を付ける(ホワイトソースを作る)場合、ルーの炒める温度によって粘度が変化する
●牛乳でルーをのばしたときの粘度が、ルーを炒めない場合より炒めた時の方が高くなる場合がある(加熱温度110℃以下)
→小麦粉にはアミラーゼ(デンプンを分解する酵素)が含まれており、ルーの加熱により働かなくなるため

牛乳でルーをのばしたときの粘度が、ルーを炒めることで緩くなる(加熱温度110度以上)
→油とともに加熱することによってでんぷん粒子の表面に変化が起こり、膨潤しにくくなるため
→でんぷんの分子鎖の一部が分解され、デキストリン化が起こっているための考えられる

【まとめ】
ルーを加熱する時
●加熱温度が110℃以下の場合、ルーをのばした時の粘度が上がる場合がある
●加熱温度が110℃以上の場合、加熱するほどルーをのばした時の粘度が下がる

煮たホワイトソースの方が粘りが弱い理由

参考文献 新訂調理科学