スープストックの加熱と香り

※難しい話はカットします

スープストックの味の主成分は、「MMP」と「2,4-デカジエナール」と考えられています

MMP・・・・・・・・玉ねぎ(ホロネギ)に含まれる硫黄を含む水溶性分3-メルカプト-2-メチルペクタン-1-オール
2,4-デカジエナール・・脂肪が酸化してできる、揚げ物のような香り

より濃厚な香りのスープストックを作るために、MMPの量を増やす方法として以下の方法がある
●玉ねぎをみじん切りにする
→玉ねぎをまるごと調理した場合、MMPは生成されない
●数時間煮込む
→揮発性の香り成分の一部は蒸気と共に失われるが、同時に新たな香り成分(MMPなど)がゆっくり合成される。
→タンパク質が分解され、ペプチドやうま味のもとであるグルタミン酸になる
→ATPが分解され、核酸成分が生成される

急速に加熱し凝縮すると、香り成分の一部が失われる一方で、新たなにおい分子を合成するのに十分な加熱時間が得られない
さらに、タンパク質由来のペプチドとアミノ酸、ATP由来の核酸を増やす最適な加熱温度は、85℃で60分以上煮るのが良いとされている。

【まとめ】
濃厚な香りのスープストックを作る場合
玉ねぎをみじん切りにする
85℃で60分以上加熱する
→6~8時間かけて加熱すると、コラーゲンを分解してかなりのゼラチンや香り成分が生成される
※16~22時間も煮る人もいるが、それほど長時間煮る必要性があるかはまだ分かっていない。

●高温で長時間加熱するとヌクレオチド、アミノ酸、有機酸などが分解され、味が低下する
●激しく沸騰させると、脂肪が液の中に細かく分散し、濁る

ストックを作る時に材料をオーブンで加熱する理由
スープストックを作る時冷水で始めると濁らない

参考文献 食の科学