ワインの鑑定には【味】【におい】【香味(風味)】【環境】など、さまざまな要素が影響を与えます。
この中の【におい】について、「プロのワイン鑑定人」と「一般人」の嗅覚能力を比較した実験があります。
●検知能力
どのくらいの濃度になれば、においがすることが分かるか?
●同定能力
あるにおいを嗅いで、そのにおいが何であるかハッキリとわかる濃度はどれくらいか?
●弁別(べんべつ)能力
あるにおいに別のにおいを混ぜていったときに、どのくらいの濃度ににおいをつけたときに元のにおいとの違いがわかるか?
上記の3つの項目について比べた場合、弁別能力において、プロのワイン鑑定人と一般人の間に差がみられた。
しかし、検知能力や同定能力にはそれほど大きな差が見られなかったことから、プロのワイン鑑定人のほうがにおいに敏感であるということではないことがわかった。
一般人が、あるにおいを嗅いだとき、そのにおいの成分を考えることはありません。
しかしながら、ワインの香りには、いろいろなにおい成分が含まれています。ワイン鑑定人は、ワインに含まれるにおい成分を区別することで、ワインの違いを鑑定している。
つまり、ワイン鑑定人は、においの感覚に秀でた能力をもっているというよりは、においの成分を探し出す能力に優れている。
心理学的研究から、においに関する能力は、学習することによって習得可能であることが実証されている。
においの弁別能力に関しては、においを嗅ぎ、そのにおいに言語ラベルをつける(例:フルーティー、スパイシー)ことによって、区別できるにおいの種類が増えるという報告がある。
参考文献 味のなんでも小辞典