生地を寝かす(休ます)理由

小麦粉に水を加えてこねたり混ぜたりするとグルテンが形成され粘りや弾力が増す。
その後、生地を休ます理由は

【縮むのを防ぐ】
グルテンの網目構造は、規則正しい網目状であるのが本来の姿である
生地をこねた直後は、もとの規則正しいかたちに戻ろうとする力が働く
しかし寝かした場合、無理に引っ張られてた部分でグルテンの再構築が起こり、規則正しい配列に変化する
結果、のばすと網目構造に無理な力が働かず、伸ばした大きさのまま縮まなくなる

【グルテンの形成が進む】
こね終わった後もグルテンの網目構造の形成は進むため、寝かしておくと麺などの場合は強い弾力が出る

【生地を均一化する】
こねた生地の水分を全体に均一に行きわたらせる。これにより、デンプンが水を徐々に吸収して、生地になめらかさと柔らかさがでる

【酵素が働いて伸びやすくなる】
小麦粉にはタンパク質を分解する天然の酵素(プロテアーゼ)が含まれているが、乾燥している時は不活性である。しかし、水を加えると活性化し、グルテンを小さな塊りに分解するため、15~20分休ますと生地が柔らかく伸びやすくなる。
それに加え、デンプンを分解するアミラーゼも含まれており、こちらも乾燥している時は不活性である。

パンなどの生地をこねすぎはありうるのか?

参考文献 日本料理のコツ 科学で分かるお菓子の「なぜ?」 麺の科学 食の科学 調理事典 「料理の雑学」ものしり事典