洗い(あらい)の原理

洗いとは、活魚や極めて鮮度の高い魚介類をそぎ切り、糸造りし、肉片を水中(冷水)で手早くかき混ぜる

●新鮮な魚肉を冷水にさらすことで身が締まり、弾力が出る
→筋肉タンパク質のアクトミオシンの生成を人為的に進める
※アクトミオシンは網目構造をもつため弾力がある

→筋肉内のATP(アデノシン三ミリ酸)の流出・分解を進める
ATPが減ると筋肉のしなやかさが減り硬くなる。死後硬直は、ATPの生産が止まるため起こる現象である
肉は腐る直前がおいしい?

つまり、死後硬直前の新鮮な魚に行わないと、洗いにはならない


洗いに用いる水は、氷水(冷水)であるが、湯(49℃、60~65℃、70~80℃)で洗う場合もある

湯で洗うメリット
●温度が高いほど、処理時間が短くなる
●筋肉表面のタンパク質が熱変性し、冷水より歯切れがよくなる
●こいのような川魚は、冷水で洗うより川魚特有の臭みが取り除かれる
→こい筋肉の脂肪球は49℃の湯洗いの方が冷水より少なくなる
●クルマエビやズワイガニの湯洗いは、うま味、風味が強くなる

【まとめ】
湯洗いは、くせの強い魚(こいやフナなどの川魚)に用いる。また、たこやきじはたなど身のしっかりしたものは、やや高めの温度で湯洗いすると、適度に柔らかくなる。

魚の死後硬直の時間と持続性
洗いに使う水は井戸水がよい
エビの洗い

参考文献 総合調理科学事典 調理事典 プロのためのわかりやすい日本料理


ここからは主観です
この記事を読んで思うことは、恐らく「この魚は●℃で洗うのが一番臭みが取れて歯切れがいいです。」という情報が欲しいということだろう
しかし、魚の時期によっても産地によっても違ってくるし、そもそもそこまで科学的に調べ上げたデータは今のところないと思われる
つまり、やはり自分で色々試すしかない