フキを煮る

フキは季節の食品として美しい色に煮上げることが重要です

調味液を加えて長く煮てると、クロロフィル色素が醤油のなかの酸や、長い加熱のために変化し、緑色があせて汚くなります
しかし、加熱をはやく止めると味は中まで浸透しません

一方で、フキのように新鮮な歯ざわりを楽しむ食品を調味液の中で急に加熱すると、浸透圧により水分が煮汁の方へ引きだされ、全体的にしなびて、歯ざわりを失います

そこで、さっと茹でて、よく水にさらしたフキを、冷たい調味液にひたしておくと、色と形、歯ざわりを保ったまま味が中にゆっくりと浸透しますので、浸透が終わったところを短時間で煮上げます


プロのための分かりやすい日本料理より

❶フキは鍋に入る長さに切りそろえ、塩をまぶして板ずりし、5分ほどおく。そのまま塩を加えた熱湯に入れ、落とし蓋をしてゆで、水に落として冷ます。両端から筋を引いてとる。太いものは4~6つ割りにして、4cm長さに切る。

❷鍋にだし汁と調味料を合わせて沸騰させ、フキをさっと煮る。煮汁からとりだし、うちわであおいで手早く冷ます。煮汁も冷まし、冷めたフキを戻して味を含ませる。


ここからは主観です
上記の話は、見比べると微妙に手順が違います
ただ、欲しい結果としては
①色を保つ
②歯ごたえを保つ
③味を浸透させる
となっています

参考文献 「こつ」の科学 プロのためのわかりやすい日本料理