動物を屠殺(とさつ)してそのままおくと、しだいに筋肉がかたくなり、かたさが最大に達したあと、やがて少しずつ柔らかくなって食べられるようになります。
硬直がとけたあと、肉のタンパク質は酵素の働きで少しづつ柔らかくなり、それとともに筋肉内のATPという物質を分解して、イノシン酸その他のうま味成分も増えます
しかし、これがさらに進むと肉自体の酵素のほか、肉についていた微生物の作用も加わって、腐敗へと進んでいきます。
死後硬直がどけて肉がやわらかくなることを肉の熟成とよんでいますが、熟成と腐敗の間には厳密な境界線があるわけではなく、少しづつ連続的に進行していく。
腐敗と発酵の違い
熟成がすすんで柔らかくなり、うま味が増してくるほどおいしい肉になりますが、腐敗が始まってしまうと、今度は逆に味が落ちてしまう。結果、熟成が十分進んで、しかも腐敗はまだ始まっていない「腐る直前」が美味しいと言われるようになりました。
ここからは主観です
「熟成を進める酵素」と「腐敗させる微生物」は全くの別物です。
熟成を進める酵素が、ある時期から腐敗させる作用に変わるわけではありません。
発酵(腐敗)とPh
参考文献 「こつ」の科学