かきたま汁の卵は沈まない

あついくず汁を攪拌(かくはん)しながら、ときほぐした卵を糸のように細く流しいれると、すぐに固まって卵の糸ができ、これが汁の中にただよった状態になります。

この時、くず汁のデンプンの濃度は、0.5~1.5%(汁200ccにデンプン1~3g)です。
このような濃いデンプン液は、分子が網目のように絡み合って、粘りの強い液になり、液の比重も大きいので、熱凝固した卵の糸は沈みません。

一方で、沈んでしまう場合の理由としては
①デンプンが薄い
②卵のかたまりが大きい(重い)
汁が冷えている
●汁が冷えるとデンプンがお互いに引き合い、集まろうとして網目が大きくなるため卵が沈みやすい
●卵を入れるときの温度が低い場合、瞬間的な熱凝固がおこらず液の中に分散して濁ってしまう

片栗粉でとろみをつけようとしたらダマになる

参考文献 「こつ」の科学