白い牛乳から黄色いバターができる理由

※今回はネタ話です

バターの色はカロテンというオレンジがかった黄色の天然色素によるもの
この色素はニンジンの中にもみられるが、牛が食べる新鮮な青草の中に大量にあるため、牛乳の中にもこの色素が含まれる。
本来、牛乳は黄色っぽい色なのだが、光を反射するので白く見える。バターは光をほとんど反射しないため、バターの本当の色である黄色が見えるのである。

牛乳が光を反射する理由は、牛乳中のたんぱく質と脂肪に関係している
牛乳の主なたんぱく質であるカゼインは、リン酸カルシウムやリン酸マグネシウムなどと結びついた小さな粒子(コロイド粒子)として牛乳中に分散しています。また、脂肪も微細な脂肪球として牛乳中に分散しています。
牛乳が白く見えるのは、このたんぱく質の粒子や脂肪球が光を乱反射するため
※乱反射した光が白く見えるのは、赤橙色、緑色、董色の3色の波長の光がほぼ同じ程度に乱反射される場合


牛乳・・水中油滴型

脂肪球の凝集 

バター・・油中水滴型

●牛乳の中に含まれる乳脂肪が、「脂肪球膜」という皮膜に包まれた粒子状になっていて、外からカロテノイドの色が見えず光を乱反射させるため白く見える
●バターの中では多くの脂肪球が壊れ、乳脂肪がむき出しになった状態。そのためカロテノイドの色が表面に現れ黄色に見える

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参考文献 フランス式おいしい調理科学の雑学 明治ホームぺージ お菓子の「こつ」の科学