食品を茹でると浮いてくる理由

食品に限らず、ある物質を水の中に入れたときに浮かぶか沈むかは、入れた物質の比重によって決まります。

水(湯)の比重は温度によって変わります。

温度(℃) 比重
0 0.9999
4 1.0000
20 0.9982
40 0.9922
60 0.9833
80 0.9718
100 0.9584

この水の比重よりも重ければ沈み、軽ければ浮きます

例えば、ジャガイモ(デンプン)の比重は1.053~1.09のため沈みます。

同様に、白玉団子やニョッキなどの練り物の場合、本来なら【デンプン+水分】のため水より比重が重く沈みます
しかし、鍋の温度が上がると、白玉団子やニョッキの生地に含まれる水分の一部が水蒸気に変わります。茹でるにつれ膨らんで体積が増えるのは、生地内で水が水蒸気になっていくからです。
これにより、生地の重さが変わらず、体積だけが大きくなったことで、比重が湯(0.9584)より小さくなり浮きます。
また、火を消すと水温が下がり、生地中の水蒸気が水に戻って生地の体積が減り、沈みます。

体積と重量について


ここからは主観です
物を茹でていて、浮かび上がったら火が通ったっという目安があります。
これは、上記の理由から言えることで、

浮かび上がる→物体内の水分が水蒸気に変わった→物体の中身が100℃になった

という目安です。当然、大きさや種類によって話は変わってきますが、一つの目安として覚えておいて損はないでしょう。

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参考文献 おいしさをつくる「熱」の科学