単音料理法とは

単音料理法とは、食材を化合物から一つずつ構成していく調理法である。

フランスの物理化学者で分子ガストロノミーの父といわれているエルヴェ・ティス(1955~)は、次の料理のトレンドとみなされる単音料理法の金字塔を作りました。
彼は、これを「肉、魚、植物、野菜、果物、キノコ、海藻、そしてこれら天然成分の抽出物を用いずに作る食品」と定義づけました。
代わりに、研究所や工場で化学的に合成されたものや生体成分からの抽出物から純粋な化学物質のみで食品を作り上げました。

ちなみに、この話を聞いて嫌悪感を抱く人もいますが、食材と同じ分子構造を化学的に作った場合、当然全く同じものができます。食べ物は化学物質だけで構成することができ、栄養素量や健康促進効果に注意を払えば、単音料理法による完全な食事で生きていくことは可能です。

また、エルヴェ・ティスは、この方法で食品を作ることと、楽器を演奏せずに合成音からつくられた音楽のピースを組み立てていく手法と類似していると述べています。


ここからは主観です

これを読むと、「分子料理(分子ガストロミー)とは違うの?」と思ってしまうかもしれません。
調べてみたところ、正確な定義はなさそうですが、
●分子料理は、食材を様々な化学的な調理法により料理として完成させていく
●単音料理法は、様々な化合物から食材を作る

となっており、微妙に違います。

現在、色や香り食感を再現するのは恐らく難しくないと考えられており、凍結技術、凝固剤、乳化剤などを用いればシンプルな食感を作り出すのは比較的簡単となっています。
また、ゴールは既存食材の人工的なコピーを作る事となっており、引き続き研究が続けられていくそうです。

参考文献 食感をめぐるサイエンス