高野豆腐と落とし蓋

高野豆腐というのは凍り豆腐の通称で、かための豆腐を切って、冷凍室で長期間凍結状態のまま乾燥させたものです。これにより、高野豆腐のタンパク質が変性してスポンジ状になっているため、吸水力が強くなっています。さらに、水につけてもうま味が失われにくいので、もどすとき、大量の水を使いますが、水よりも軽いのでそのままでは浮き上がり、吸水にムラがでてきます。

そこで、吸水をはやめるように※ぬるま湯につけ、落とし蓋をして十分膨張させ、水の中で軽く押さえて洗うようにし、組織内のアルカリ分などを追い出すと同時に、水分をむらなく吸水させます。
※熱湯で戻すと、ブヨブヨになって形が崩れる

吸水時間の目安は、水温20℃で約5分、10℃で15~20分、吸い込む水の量は高野豆腐の約4~4.5倍となっています。

※最近の高野豆腐は、もどさすそのまま調理ができるものも出てきました。

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参考文献 「こつ」の科学 日本料理のコツ