タンパク質に酢を加えると固まる

※ややこしい説明は省略します。
タンパク質には等電点というpHの値があります。
タンパク質溶液は等電点から離れたpHの溶液中では溶解するが、等電点では溶解度が最小となる。
つまり、等電点では固まり、離れるほど固まらない

また、コロイド分散系(牛乳など)では等電点から離れたpHの溶液中では安定なコロイド状態を保つが、等電点では凝縮する。
例:牛乳に酢を入れると、モロモロした固形物ができる。

タンパク質 食品 等電点
オボアルブミン 卵(卵白) 4.5~4.9
ラクトアルブミン 牛乳 4.6
β-ラクトグロブミン 牛乳 4.5~5.5
グリアジン 小麦 6.5
グルテニン 小麦 5.2~5.4
ゼラチン 動物の皮 4.9
カゼイン 牛乳 4.6
グロブリン 大豆 4.3~4.8
ツエイン とうもろこし 5.6
ミオシン 5.4

上記の表から分かること
①牛乳はpH4.6の時が固まる
②卵白に酢や酒石英などを加え、pHを下げると泡立ちやすく、安定する。(体積が増える、ふっくらする)
茹で卵を作るときに酢を入れる理由
肉をワインなどでpHを下げる(pH5.4より遠ざける)ことで柔らかくする

腐った牛乳は酸っぱくなる理由
ゼラチンゼリーと酸味

参考文献 新訂調理科学 調理科学 うまさのサイエンス