干し魚をもどすとき、アク汁や米のとぎ汁につける場合があります。
アク汁・・・木灰(きばい)の濃厚な水溶液。炭酸カリウムを含んでいるためアルカリ性が強くなっている わらびのアク抜き
米のとぎ汁・・・米を研いだときに出る汁
ニシンやタラのように大きい魚の干し物は、乾燥に時間がかかっているため、脂肪が酸化されてい場合があり、干物特有の渋みがあります。これが進んだものが俗に、「油焼け」といわれます。
アク汁につけると、干物が中和され渋みがぬけて風味がよくなります。また、魚のタンパク質にアルカリが作用して膨潤(ぼうじゅん)をはやめ、細胞膜を柔らかくし、水の侵入を用意にして、むらなく戻すことができます。
一方、米のとぎ汁につけるのは、水よりも濃度が高く、うま味成分などが溶け出すのをある程度防ぐのと、表面に生じた渋味物質をとぎ汁のなかのコロイド性の物質が、少しでも吸着して取り除いてくれる効果を狙っています
さらに、糠にはタンパク質や資質を分解して組織を柔らかくする酵素がある。
現在は製造法も進み、油焼けはあまり見られなくなっています。