炊飯の沸騰について

※今回はネタ話です

ご飯を炊く時、一般の人は特に何も考えずに炊飯器の電源を入れるだけだろう。
また、業務用のガス釜でも、今はスイッチを入れるだけでご飯が炊ける。
その為、今回の知識が必要な時はキャンプや非常時の時ぐらいだと思われる


ご飯を炊くときに、加熱を始めて沸騰するまでの時間は10分が望ましいとされている。加熱中に米は吸水を続けるが、水が残っていて米が動ける状態で沸騰状態に達すると、鍋内の上部と下部の米の吸水が均一に進みやすい。
米がほぼ水を吸い終えるのが20分前後である。

沸騰までの時間 10分 20分 40分
飯の水分(%)
鍋の上部
62.4±0.8 60.4±1.7 56.9±2.9
飯の水分(%)
鍋の下部
62.8±0.5 65.0±0.9 66.3±1.5
米の硬さ
鍋の上部
1.9×10⁻³ 1.6×10⁻³ 1.4×10⁻³
米の硬さ
鍋の下部
1.8×10⁻³ 2.3×10⁻³ 2.9×10⁻³

沸騰するまでの時間が長くなるほど、鍋内の上部と下部の飯の状態が不均一になる。また、沸騰までの時間が短すぎると、米粒の中心部の吸水が不十分なまま周辺部のでんぷんが糊化し、糊の層ができて吸水が進みにくくなり、米粒の中心部は水が不足し、周辺部に水が多い芯のある飯になる。

参考文献 新訂調理科学 お米とごはんの科学