栗の甘露煮や黒大豆を煮るときに砂糖を分けて入れる理由

甘露煮や煮豆には、同量近くかそれ以上の砂糖が加えてある。これだけの砂糖を一度に加えると、その砂糖が周囲の水と急速に結びつくため、栗や豆から水分を吸い出す形になってしまう。(梅酒を作るときに氷砂糖を使う理由

砂糖を数回に分けて加えると、汁の糖度がゆっくりと上昇し、材料からの急速な脱水は起こらず、汁の成分と材料の成分はゆっくりと交代していく。
もし、一度に加えたい時は加熱を始める前の汁に砂糖を入れて、一晩おくようにする。こうすれば温度が低いので交代は遅く、加熱前の組織は崩れにくいので、煮崩れやしわも起こりにくい。

参考文献 日本料理のコツ