真空でマリネすると短時間で漬かる理由

肉のマリネは少なくとも6時間以上、長いときは数日間も漬け込みます。

真空パックに肉とマリネ液を入れ、専用の機械でパックの中の空気を抜いて密封し、真空にすると短時間でより肉の中まで味をしみこませることができます
真空パックでマリネをする場合、約2~3時間で普通の方法で数日間マリネするのと同じ効果が得られるとされている。

※真空にすると、まず肉の水分がマリネ液のほうへ出ていきます。すると、肉の内部よりもマリネ液側の圧力が高くなるので、均衡になろうとして、今度はマリネ液が肉の中にしみ込みます。

マリネ液の浸透について


ここからは主観です
※多くの書籍では真空調理でマリネすると、
①食材から水分がマリネ液に出てくる
マリネ液側の圧力が高くなり、逆に食材に味がしみこむ
っと説明されています

この②「マリネ液側の圧力が高くなる」がどうも理解できなくて
(食材から水分がでてくるためマリネ液側の水圧がたかくなるから?・・・しかし、その場合は真空調理機で空気を抜いている段階で釣り合うと思われる)

色々考察した結果、考えられる仮説としては

Ⅰ:浸透圧の影響で圧力が高くなる
Ⅱ:細胞膜が傷つき、味がしみこみやすくなる
Ⅲ:真空にした場合、食材のエアポケットから空気が出ていく。その後大気圧に戻ると(真空調理機の電源を落とし、封をするときに圧力が緩む)、大部分の食材は形を保とうとして、絞ったスポンジが元の形に膨らむようにマリネ液を吸い込む

っとなりました。


ちなみに、手軽にできる真空調理でよく紹介されているものに
袋に液体と食材を入れて水に漬けて空気を抜く
というものがあります。

これは、少量の液体で食材を漬け込むことは出来ますが、圧力がかからないので、上記の話とは関係ありません。

素材に味がしみこむ①

参考文献 フランス式おいしい肉の教科書 西洋料理のコツ Cooking for Geeks