油脂の安定性について
未精製のオイルにはミネラル、酵素、風味に富んだ不純物が含まれ、焦げやすい性質がある。すべてのオイルと脂肪はそれぞれ違う温度で焦げ、それを「発煙点」という。
オイルの種類 | 発煙点 | 特性 |
エクストラバージンオリーブオイル | 160℃ | 風味は良いが発煙点が低い。炒め物には向かないが、ドレッシングのベース(生で使用)にするには最適。 |
オリーブオイル | 200℃ | バージンオイルと精製したオイルを混ぜたもの。発煙点が高いため、炒め物などに使って、食材にマイルドなオリーブの風味をつけることができる |
キャノーラ油(菜種湯) | 205℃ | 何にでも使えるオイル。しかし精製度が高いキャノーラ油は風味に欠ける。 |
ピーナッツオイル | 230℃ | 発煙点が高いので、高温で炒め物をするのに最適。マイルドなナッツの香りが持続し、調理後も残っている。 |
ココナッツオイル 精製ココナッツオイル |
175℃ 230℃ |
香りは良いが、未精製のココナッツオイルは、炒め物に使うと煙がかなり出ることもある。 |
バター 澄ましバター |
175℃ 230℃ |
風味がとても強い。水分が最大で16%あり、発煙点が低いため高温での炒め物には向かない。 |
ギー | 230℃ | 澄んだバターを作るために、水分を除いてある。発煙点が高いため、炒め物に適している。 |
ラード ヘッド |
185℃ 205℃ |
とても安定していて、揚げ物用に繰り返し使用することができる。 |
バージン・アマニオイル | 105℃ | – |
バージン・クルミオイル | 160℃ | – |
カモ脂 | 195℃ | – |
グレープシードオイル | 200℃ | – |
ひまわりオイル | 230℃ | – |
精製トウモロコシオイル | 240℃ | – |
ここからは主観です。
意外と知られていないのが、エクストラバージンオリーブオイルとオリーブオイルの使い分け。オリーブオイルのイメージは「エクストラバージンより安い」である。しかし、上表のとおり、発煙点が違うため、使い分けが必要となる。また、エクストラバージンは香りが強すぎるため、オリーブオイルと混ぜるのもあり。
澄ましバターとは
油脂の融解温度(融点)
油脂の引火点と燃焼点について
参考文献 料理の科学大図鑑 フランス式おいしい調理科学の雑学