貝の砂抜きの基本的な方法は
①底が平らな容器の内側にザルを入れ、その中に貝が重ならないように並べる。
→貝が吐いた砂をもう一度吸い込まないようにするため
②常温の海水(塩水)を貝がちょっとかぶる程度入れる。アサリの場合は、塩分の度が3~4% シジミの場合は、0.5~1%(シジミは海水と真水が混じる場所に生息しているため)
→水温が15℃以下だと十分に砂を吐かない(20℃ぐらいが理想)
→海水(塩水)を入れる理由は、貝が弱る以外にアミノ酸を減らさないようにするため。
貝は水中にいる間、細胞内と外の浸透圧を釣り合わそうとする習性があり、細胞内のアミノ酸を増やすことでこの調整をしている。
→貝が被る程度の水量にする理由は、貝が酸欠で死なないようにするため。水中に溶け込める酸素の量は案外少ないため、酸欠にならないための処置である。(つまりエアーがあれば、たっぷりの水でも大丈夫)
③新聞などをかけて暗くする。(3~4時間置いておく)
→貝は普段砂の中におり、暗くしないと砂を吐かないため。また、砂を吐かせる時間だが、書籍によってバラバラで長いものなら1日と書かれている。
※包丁、錆びた包丁を一緒に入れると砂をよくはくというものがあるそうだが、効果はないとされている。
ここからは主観です。
貝の砂抜きについて、色々書籍やネットで調べたが怪しい話がいくつかあったので記載しておく。
①お湯(50℃)で、砂抜きする。メリットは、15分程度で砂抜きが完了する・・との事。
②塩抜きをする。砂抜きが終わった後に、海水(塩水)を入れず砂抜きと同じ工程で3時間放置。塩気が抜けてうま味成分のコハク酸が醸成される・・との事。
③アサリは砂抜きがいらない。アサリは体内に砂を取り込んでおらず、実はアサリの表面に砂がついているだけ。そのため、むき身で使用する場合は砂抜きが不要・・との事。
っで、「どう思う?」と聞かれたら困るのだが、私個人の意見としては、普通に砂抜きするのをお勧めします。
プロとして料理をお客様に提供するときに砂が入っていたら、一発レッドカードで終わりです。長年の通説が安全だと思います。
(※美味しくなるなら試す価値はあるが、あくまで手順の省略なため。②は、貝が痛みそうなため)
参考文献 科学的に正しい料理のコツ 総合調理科学事典 第七回浸透圧に順応する無脊椎動物たち-東海大学出版部 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー 「こつ」の科学