まず初めに、「《みりん》《みりん風調味料》《※発酵調味料液》《酒+砂糖》のどれを使えばいいのか?」という質問の答えは
その料理に合わせて使うになる。
※発酵調味料液とは、発酵してみりん風に作るが、価格を下げるため塩を約2%加えて酒税対象外にしている。本みりんに近い風味があるが、塩味の調整が必要である。
《みりん》や《酒》を使う事の調理上の効果は
①臭みを消す
②風味をつける
③照りをつける
④焦げ色をつける
⑤煮崩れを防ぐ
などである。
①臭みを消す理由としては、酒類に含まれるアルコール類やカルボニル化合物、有機酸によって生臭いにおい成分のアミノ酸と反応して一部が不揮発性になると同時に、酒類のにおい成分によってマスキングされるため。
また、アルコールの沸点は78℃であるため、加熱によってアルコールが揮発するときに魚の嫌な臭いも同時に揮発させる。 つまり、《みりん》を煮切ってから使ったり、《みりん風調味料》のようなアルコールを含まない場合は、臭みを消す点では少し効果が弱くなってしまう。
②風味については、一般的に《みりん》の方が上品でまろやかなコクとうま味があると言われている。
③照りをつけるは、糖分があるため。
④焦げ色をつけるは、アミノ・カルボニル反応によるものであり、同時に良い香りも生じる。さらに高い温度での加熱では、糖質のカラメル化が起こり、香ばしい香りと色を生じる。(《みりん》を煮切るとき、火をつけてアルコール分を燃やし軽く焦がすことで香りが高まる)
⑤煮崩れを防ぐは、アルコールと糖の働きにより細胞膜の損傷が防げるため。
また、《砂糖》の代わりに《みりん》で甘味を付ける場合、重量で砂糖の3倍にする。みりんの糖分は約45%だが、そのうち70~90%はブドウ糖であり、ブドウ糖の甘味は砂糖の半分程度なので、結果として《みりん》の甘味は砂糖の1/3程度になる。
ここからは主観です。
上記の記事を読むと結局「《みりん》を使えばいいよね?」っとなると思います。
しかし、「甘いのが苦手」、「煮切るのがめんどくさい」、「今、みりん切らしてる・・」、「みりんは値段が高い」など様々な状況があると思います。やはり結論は、その料理に合わせて使ってくださいです。
参考文献 おいしさの科学味をよくする科学 NWE 調理と理論 調味料検定 おいしい料理には科学がある大事典 「こつ」の科学 総合調味料科学事典 料理のなんでも小辞典