西洋料理のコースで肉より先に魚を出す理由

西洋料理のコースで肉より先に魚を出す理由

※今回は「こつ」の科学からの紹介になります
絶対にこれが正しいという訳ではなく、一つの考え方程度に思っておいてください

単にそれぞれの料理の味そのものを味わうだけならば、どちらを先に出してもさしつかえありません
事実、日本料理や中国料理ではいろいろな料理を交互に食べることができるようになっています。

しかし、西洋料理のコースでは、いわばコース全体でひとつの料理として取り扱っています
さらに言えば、食べる人の健康状態、空腹感料理の色、香り、形、盛り付け、部屋の環境心理的な要因なども含まれています

このなかで魚が肉より先に出されるのは、味としての刺激の強い濃厚な肉料理よりも、淡白な味の魚料理を先に出したほうが、そのあとの料理を味わう妨げにならないからです。もしこれを逆にすると、濃厚な肉料理の刺激の後で、淡白な魚料理の味がものたらなくなってしまいます

食前酒を飲む理由
魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワインといわれる理由

参考文献 「こつ」の科学

解凍とドリップ

解凍とドリップ

魚や肉などを解凍する場合、常温解凍するとドリップ(水分)が出てしまいます

この理由としては
①常温解凍で急激に温度が上がると、食品の組織が崩れてしまい、水分が出るため
②冷凍するとき、緩慢凍結(ゆっくり凍らした)により、氷の結晶が大きくなり細胞を傷つけてしまったから
となっている

Ⅰ:ドリップの中には酸素を含み、これがタンパク質や脂肪を変化させ、不快な風味を出す
Ⅱ:水分が抜けるため、パサパサした感じになる

【対策】
❶温度差を小さくするため、冷蔵庫で解凍する
❷パウチなどに入れ、流水で解凍する
❸凍ったまま急速に加熱し、タンパク質を変性させる (※書籍によって違いがある)

冷凍焼けとは


ここからは主観です

この他にも吸水紙で包んで解凍することで、味を残し水分だけ抜くテクニックがあるようです

参考文献 調理事典 もっとおいしくなる超・冷凍術

魚のダシ汁と肉のダシ汁で煮込み時間が違う

魚のダシ汁と肉のダシ汁で煮込み時間が違う

●フュメ・ド・ポワソンといわれる魚のだし汁は、淡白な白身魚のあらで作ります。
野菜は、薄切り、または小さく切る
②魚のあらと一緒に炒める
水を加えて30~40分煮る

【理由】
Ⅰ:白身魚は、やわらかで組織が崩れやすく(ダシが濁る)、煮る時間が短くても味が出る(長時間煮ると香りが飛ぶ)
Ⅱ:煮すぎると、魚の臭みが出る
この原因は2つあり
❶トリメチルアミンオキシドなどが熱などで分解され、トリメチルアミンができる(つまり、加熱により生臭い成分がでてくる)
❷酸化されやすい高度不飽和脂肪酸(DHA)が、熱によって酸化分解され、カルボニル化合物ができる
Ⅲ:30~40分で野菜から味がでるようにするため、薄く小さく切る(表面積を増やす

短時間しか煮ないので、炒めやすい浅くて底の広い鍋を使う

 

●ブイヨンやフォン・ド・ヴォーといわれる肉のだし汁は、長時間煮ます。
①玉ねぎ、にんじんなどの野菜は丸ごと入れる(大きく切る)
②肉と一緒にい炒める
水を加えて、ブイヨンなら4~6時間、フォン・ド・ヴォーなら8時間以上煮込む

【理由】
Ⅰ:肉は、煮ると縮んで固くなるので、長時間煮なければ味がでない
Ⅱ:煮すぎても臭みがでない
理由は、魚と違い臭み物質や高度不飽和脂肪酸が極めて少ないため
Ⅲ:長時間煮るため、小さく切ると野菜がドロドロに溶けて、ダシを濁らせてしまう(完全に溶けて野菜の風味が強くなり過ぎないようにするため)

長時間煮るため、水分が蒸発しにくい寸胴の深鍋を使う


ここからは主観です
上記の話は理論であって、そうしなければならないわけではありません
例えば、フォン・ド・ヴォーを作る時、書籍によっては野菜を切ると書かれています

参考文献 西洋料理のコツ