刺激と感覚

刺激と感覚

一般的に、あらゆる感覚の強さは、与えられた刺激の強さに比例しない。
刺激と感覚の強さは
●ウエーバー・フェッヒナーの法則
●スチーブンスのベキ法則
という二つの式のどちらかに当てはまるとされている

簡単に言えば、与えられた刺激が倍になっても感じる感覚は倍にならない
例 砂糖を2倍入れても、2倍甘く感じない

【ウエーバー・フェッヒナーの法則】
R=klogS
S:刺激量(物理量)
R:感覚量
K:定数(感覚ごとに異なる値)

【スチーブンスのベキ法則】
R=KSⁿ
このnの大きさは、刺激により異なるが、味覚や香りの場合、たいていは1未満になる。

参考文献 ポケット図解 おいしさの科学がよ~くわかる本

人工甘味料を使うと太る?

人工甘味料を使うと太る?

ラットの実験では、人工甘味料(サッカリン)を加えたエサを与えると太るという結果がでた。
この理由は、摂取量のコントロールに役立っている条件付けが損なわれるためと考えられている。

通常、甘い味のする食べ物はカロリーが高いため、それを摂取すると甘味という風味を食べると高カロリーが得られるという条件付けがされる。「甘味→高カロリー」
その結果、甘味を味わうと条件反応として満足感が生じるようになる。「甘味→満足感」
これにより、食べる量が抑制されていると考えられている。

しかし、人工甘味料を食べる経験を繰り返すと、甘味はカロリーがなないという条件付けがされる。「甘味→カロリーがない」
その結果、甘味を味わっても条件反応として満足感が生じなくなる。「甘味→満足感がない」

これにより、甘味により生じる抑制が弱くなり、普段の食事で食べ過ぎてしまうと考えられている。

風味が好きになる条件付け


ここからは主観です。
上記の話は、ラットでの実験のため人間の場合では、どうなるか分かっていない。

参考文献 心理学からみた食べる行動

風味が好きになる条件付け

風味が好きになる条件付け

味や匂いなどの風味が好きになる理由は2つあるとされている。

甘味との条件付け
人は甘味は生まれたときから好きな味とされている。
人工甘味料(カロリー0)で、甘味を足した風味の方が好かれる傾向がある。

カロリーとの条件付け
人はカロリーの高い物質を好む傾向がある。
カロリーを足した風味の方が好かれる傾向にある。


ここからは主観です。

上記の話を分かりやすく解説すると、人は砂糖(甘味+カロリー)が添加された食べ物を食べ続けると、その風味が好きになる。

①子供にニンジンやカボチャを砂糖で甘く煮た料理を食べさせる
②慣れてきたころに、砂糖を抜く
③ニンジンやカボチャの風味(香り)が好きになっている傾向があるため、甘くなくなっても好む子供が多い

甘くなくなったら、嫌いになるのじゃないのか?と思うかもしれないが、身近な例でいえばバニラの香りがある。
バニラ自体は、甘くなくカロリーもないが、アイスクリームとして食べている(甘味+カロリー)ため、無意識にに条件付けされている。
そのため、バニラの香りが好きになる傾向がある。

子供の好き嫌い
赤ちゃんも味を感じるのか?

参考文献 心理学からみた食べる行動