醤油、食酢、酒を加熱した場合

醤油、食酢、酒を加熱した場合

【醤油】
醤油は基本的に食塩の水溶液です。これにより融点降下と沸点上昇が起こりますが、その変化は微細なため料理で気にするほどではありません。加熱を続けると水分が蒸発し、塩分濃度が高くなる(塩辛くなる)ので注意が必要です。

【食酢】
食酢は酢酸の3~4%ほどの水溶液です。酢酸の沸点は118℃で、水より沸点が高いです。食酢を加熱すると先に水が蒸発するため、酢酸の濃度が上がり酸味が強くなります。

【酒】
料理で使う日本酒は15%、ワインは10%ほどのエタノールを含みます。エタノールの沸点は78℃で水より低いため、加熱すると先にエタノールが蒸発して無くなります。このことを酒を煮切ると言います。ウイスキーやブランデーのような強い酒(エタノール含有量40%)を加熱すると、大量のエタノール蒸気が発生し、これらに火がつくことがあります。フランベはこの現象を利用したものです。

参考文献 料理の科学

熱伝導率について

熱伝導率について

物質名 熱伝導率 備考
398.0  
アルミニウム 237.0  
80.3  
ステンレス 27.0  
ガラス板 1.03  
天然ゴム 0.13  
ポリエチレン樹脂 0.34  
陶器 1.0~1.6  
木材(杉) 0.069 水分0%
木綿 0.059  
0.61  
エチルアルコール 0.166  
油(潤滑油) 0.143  
空気 0.025  
炭酸ガス 0.028  
蒸気 0.036  
牛肉(赤身・もも) 0.429 水分78.7%
豚肉(赤身・すね) 0.453 水分75.1%
0.502 水分73.0%
オリーブ油 0.168  
きゅうり 0.598 水分 95.4%
にんじん 0.605 水分 90.0%
バナナ 0.481 水分 75.7%
りんご 0.596 水分 88.6%
チーズ(チェダー) 0.310 水分 37.2%
白パン 0.064~0.072  

表から分かること

●水と油の熱伝導率を見ると、実は油は熱伝導率が悪い
体感として、油の方が熱伝導率が高いと思ってしまいますが、水の方が高くなっています。これは、比熱と熱伝導率が違うためです。
比熱・・・・その物質の温まるのに必要な熱量(低いと早く温まる)
熱伝導率・・物質Aと物質Bが接触している時の熱の移動のしやすさ

例 80℃の水と80℃の油にそれぞれ指を付けると、水の方は熱くて耐えれないが油の方は一瞬我慢できる(危険ですのでやらないように)

木は熱伝導率が悪い
スープなどを飲む時に、木のスプーンを使うのはこのため。熱伝導率が悪いため、スプーンを口に入れると生ぬるく感じる。

●食材によって熱伝導率は違う
同じ大きさに切った食材を同時に炒めても、食材の種類が違う場合熱の伝わり方が変わってくる

●空気は水より熱伝導率が悪い
熱い鍋をつかむとき、濡れたふきんを使うより、乾いたふきんを使った方が良い。これは、繊維の間に空気が入っており熱伝導率が悪くなっているため

卵焼き鍋が銅製の理由
熱の伝わり方
ゆで物はアルミ鍋、おかゆは土鍋

参考文献 新訂調理科学

粘度と呈味効率

粘度と呈味効率

  濃度 ショ糖 食塩 グルタミン酸ナトリウム
じゃがいもでんぷん 10% 0.70 0.76 0.52
  20% 0.54 0.74 0.51
  30% 0.50 0.64 0.34
じゃがいもでんぷんと白玉粉(混合) 各10% 0.52 0.83 0.53
薄力粉 20% 0.58 0.72 0.41
強力粉 20% 0.59 0.74 0.42
上新粉 20% 0.45
寒天 1% 0.65 0.73 0.85
ゼラチン 4% 0.77 0.79 0.96
ゼラチン 8% 0.63 1.09
卵白 100% 0.72 0.78

表の見方
濃度・・・・・・・・・・・・水に物質がとけている割合
ショ糖・・・・・・・・・・・水と比べて感じる甘さの割合
食塩・・・・・・・・・・・・水と比べて感じる塩分の割合
グルタミン酸ナトリウム・・・水と比べて感じるうま味の割合

表から分かること
●ほぼ全ての味(甘味、塩味、うま味)は、水に溶かした場合より、粘度がある物質に溶かした場合の方が呈味効率が落ちる。(味が感じにくい)

●粘度があると、うま味は特に感じにくくなる

食塩は、粘度が増しても他の味と比べて感じやすい

●粘度が増す(硬くなる)ほど、味が感じにくくなる


ここからは主観です
今回は、味のみの評価になります。
実際の料理にはフレイバー(匂い)が存在し、匂いによって味を感じる(強く感じる)・温度帯によって強く感じる味が違うなど、上記の表だけでは評価できないことが多々あります。
今回は、粘度が増すと味が感じにくくなるが、甘味、塩味、うま味が均等に感じにくくなるわけではないとだけ覚えておきましょう。

料理と温度

参考文献 新訂調理科学