落とし蓋、紙蓋の効果

落とし蓋、紙蓋の効果

落とし蓋をすると煮汁の沸騰にともなって、蓋を伝わって食品の上部にも煮汁がまわるので、上部まで調味料がいきわたりやすくなる

じゃがいもの食塩吸収率(%)

  上半分(A) 下半分(B) 差(B-A)
普通の蓋 0.57 1.23 0.66
落とし蓋 0.60 0.93 0.33
紙蓋(和紙) 0.66 1.00 0.34

表から分かること
●煮汁の量にもよるが、落とし蓋をするかしないかで、上部と下部の味のしみこみ具合が倍ほど違うことが分かる。

●一方で落とし蓋をすれば、差は縮まるものの上半分と下半分に均一に調味料がしみこむわけではないことがわかる。

※これらは、煮汁の量、火加減、食品の大きさ、加熱時間、どこまで煮るかなどによって変わってきます。

参考文献 新訂調理科学

熱伝導率について

熱伝導率について

物質名 熱伝導率 備考
398.0  
アルミニウム 237.0  
80.3  
ステンレス 27.0  
ガラス板 1.03  
天然ゴム 0.13  
ポリエチレン樹脂 0.34  
陶器 1.0~1.6  
木材(杉) 0.069 水分0%
木綿 0.059  
0.61  
エチルアルコール 0.166  
油(潤滑油) 0.143  
空気 0.025  
炭酸ガス 0.028  
蒸気 0.036  
牛肉(赤身・もも) 0.429 水分78.7%
豚肉(赤身・すね) 0.453 水分75.1%
0.502 水分73.0%
オリーブ油 0.168  
きゅうり 0.598 水分 95.4%
にんじん 0.605 水分 90.0%
バナナ 0.481 水分 75.7%
りんご 0.596 水分 88.6%
チーズ(チェダー) 0.310 水分 37.2%
白パン 0.064~0.072  

表から分かること

●水と油の熱伝導率を見ると、実は油は熱伝導率が悪い
体感として、油の方が熱伝導率が高いと思ってしまいますが、水の方が高くなっています。これは、比熱と熱伝導率が違うためです。
比熱・・・・その物質の温まるのに必要な熱量(低いと早く温まる)
熱伝導率・・物質Aと物質Bが接触している時の熱の移動のしやすさ

例 80℃の水と80℃の油にそれぞれ指を付けると、水の方は熱くて耐えれないが油の方は一瞬我慢できる(危険ですのでやらないように)

木は熱伝導率が悪い
スープなどを飲む時に、木のスプーンを使うのはこのため。熱伝導率が悪いため、スプーンを口に入れると生ぬるく感じる。

●食材によって熱伝導率は違う
同じ大きさに切った食材を同時に炒めても、食材の種類が違う場合熱の伝わり方が変わってくる

●空気は水より熱伝導率が悪い
熱い鍋をつかむとき、濡れたふきんを使うより、乾いたふきんを使った方が良い。これは、繊維の間に空気が入っており熱伝導率が悪くなっているため

卵焼き鍋が銅製の理由
熱の伝わり方
ゆで物はアルミ鍋、おかゆは土鍋

参考文献 新訂調理科学

切り方と表面積

切り方と表面積

食材の切り方によって、表面積が変わるというのを聞いたことがあると思います。

最初の大きさ 10×10×5(cm) 体積500cm³ 表面積400cm²

切り方 切った後の大きさ(㎝) 一切れの体積(㎝³) できる個数(個) 一切れの表面積(㎝²) 総表面積(㎝²) 最初の表面積に対する倍率(倍) 1㎝³当たりの表面積(㎝²)
角切り 5×5×5 125 4 150 600 1.5 1.2
さいの目切り 1×1×1 1 500 6 3,000 7.5 6.0
短冊切り 1×5×0.5 2.5 200 16 3,200 8 6.4
拍子木切り 1×5×1 5 100 22 2,200 5.5 4.4
せん切り 0.5×5×0.5 1.25 400 10.5 4,200 10.5 8.4

味をつけるため、表面積をできるだけ大きくしたい場合や、細かく切りたいけれど食品からの成分の溶出を抑えるためにできるだけ表面積を小さくしたい場合など、目的によって切り方を変えるとよい。

体感で分かる通り、最も表面積が大きくなるはせん切りとなっています

同一体積で表面積が大きい順に形を比較してみると、
細長い棒状、平板状>細長い長方体、円柱≧平たい直方体>立方体>球

となっており、球体に近づくほど表面積は小さくなっていきます。

単純計算ですが、ゆで物などをする時、物体の表面積が2倍になると、熱が入る量も2倍になります。すなわち、大きさがバラバラなら、それぞれ伝わる熱量もバラバラになってしまう。このため、食材を切るときは大きさを揃えるいうのが料理の基本となります。

参考文献 新訂調理化学 物理がわかる物理・化学の基礎知識