チーズ(輸入)には美味しい旬がある

※今回はフランス産(輸入)チーズの話です

チーズの原料となるミルクを出す動物のほとんどは、1年中、乳を出すが、ヒツジは12月から7月にかけてしか乳を出さない。
また、どの動物も餌による草の品質によって乳の特性が異なる

若草(牧草・野草)】
若草や花の咲いた野草などを春から夏にかけて食べさせた牛、その乳から作られたチーズには豊かな風味を持つものが多い
若草は栄養分が多く乳量は増えますが、脂肪となる繊維質が少ないので乳中の脂肪含有量が減る
若草に含まれる酵素が胃の中の発酵を活発にし、それが原因で乳の酵素活性が高まることがあります。結果、こういう乳を使ったチーズは複雑で深みのある味わいのチーズになる

【夏草(牧草・野草)】
夏になると牧草は成長し、繊維質が増えます。繊維質は乳の脂肪含有量を高め、産乳量を増やすので、安定した質の高いチーズができます
夏草には、カロテンの含有量を多いので、牛の乳は黄色みを帯び、できあがりチーズの生地も黄色みが強くなっています

【乾し草】
乾し草は夏~秋にかけて2~3回作られますが、牧草の勢いがいい一番狩りの乾草は栄養価が多いです
しかし、干し草は生の草と比べて水分が少なく繊維質が多いため胃に長く滞留します。結果、家畜の食欲が減り、泌乳量もやや減る傾向なので、他の飼料で補うこともある


ここからは主観です
上記の話は、ヨーロッパ(アルプス)の場合の話であり、日本とは事情が異なる。
何故なら、日本とは気候(標高)が違うため、夏でも涼しいのである。
日本では、夏は暑く、牛は夏バテを起こし餌の食べる量が減り、水の飲む量が増える。結果、脂肪分が減りコクや濃さが薄くなる

参考文献 チーズの教本 フランス式おいしい調理科学の雑学