醤油の塩なれ

濃度別に調整した食塩水を味わってみると、海水の塩濃度(3%)あたりから急激に塩辛くなり、10%を超えると猛烈な塩辛さに1滴口に含んだだけでも舌がしびれる感覚を覚える。

一方醤油は、舐めてみてもそこまで塩辛く感じないが、実際の塩分濃度は17~19%と非常に高くなっている
一般的に舌に感じる塩味が減少する現象「塩なれ」といって、味噌にも用いられる言葉である

【塩なれする理由】
塩味を感じる「ナトリウムイオン(Na⁺)」や「塩化物イオン(Cl⁻)」と、醤油に含まれる大量のアミノ酸が結合(包み込む)するため、塩味を感じにくくなる(マスキング効果)
塩のトゲトゲした感じが無くなり、マイルドになる


一方で、非常に薄い食塩水は甘く感じるとされている。この理由は、ナトリウムイオンが甘味受容体を活性化するためのようだが、正確なメカニズムはまだわかっていない。

醤油の変色
食塩のアミノ酸に対する増強効果

参考文献 発酵の科学 Cooking for Geeks