塩魚の塩出しをするとき、真水より1.5%の食塩水のほうがよいといわれています。
この理由としては
①水に接した魚の表面の塩だけが先にぬけ、うま味成分も溶け出して表面が水っぽくなるのを防ぐ
②塩魚に用いられる食塩中の不純物、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの溶け出しが、食塩(塩化ナトリウム)より遅いため、塩化ナトリウムだけが抜けだしたところで塩出しをやめると、残ったカルシウムやマグネシウムイオンの苦みや渋みが魚に残ってしまう。塩水を用いると、塩味やうま味が抜けてしまうのを抑え、その間に不純物を溶け出さすことができる。
食塩水の濃度 | 溶出時間 2.5時間 | 溶出時間 4時間 | 溶出時間 24時間 |
0% | 12.00 | 13.11 | 13.85 |
0.5% | 12.03 | 12.91 | 13.60 |
1.0% | 11.95 | 13.09 | 13.64 |
5.0% | 10.70 | 10.81 | 12.63 |
10.0% | 9.45 | 9.55 | 11.75 |
浸漬液中に溶出する食塩量(供試品に対する%)%
上記の表から分かること
①食塩水の濃度が上がると、塩出しに時間がかかる
②食塩水が1%以下の場合、塩出しの速度は変わらない
その為、塩出しの速度がほとんど変わらない食塩水1.5%で塩抜きを行う
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参考文献 「こつ」の科学