魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワインといわれる理由

※今回の話は、平均的な白ワインと赤ワインの話です。実際は、個別の銘柄によって、本当に相性のよい料理は異なってきます。

まず、相性の良い条件として
味の強さが同程度
味の種類が異なる
があげられる。

①お酒と料理の味の強さが異なる場合、たとえばお酒の味が料理の味よりも強かったとしよう。お酒を飲んだ後に料理を食べても、お酒の味が強く残って料理の味をあまり感じることができない。逆に料理の味がお酒より強かった場合も同じことが言える。

②お酒は酸味や苦味、甘味がメインであるのに対して、料理は甘味、塩味、うま味が主であることが多い。つまり、味の種類が異なる。たとえば、酸味の強いスパークリングワインと酢の物は合わない。これでは、味がかぶってしまい、味覚の刺激が単一化されてしまう。味の感じ方はコントラストでより強く感じるので、お互いの味を消してしまう。酸味・苦味がするお酒の後に塩味・うま味のする料理を食べると、料理の塩味・うま味が引き立つのである。

上記のことは、他のお酒に関してもいえる。

この他に、タンニンの有無も関係する
赤ワインに含まれるタンニンは、肉の脂質やタンパク質と結びつく
そのため、肉を食べる合間に赤ワインを飲むと、余分な脂質やタンパク質が口の中から取り除かれ、舌触りをさっぱりさせる
また、タンニンが肉の脂質やタンパク質に結びつくことによって、渋味がやわらぐため、ワイン自体もおいしく感じる。
白ワインには、タンニンがほとんど含まれていないので、渋味が少ない。そのため、脂質の少ないさっぱり味の魚料理と合う。
とくに、白ワインに含まれるリンゴ酸が、さっぱり味の魚料理を引き立てる。

西洋料理のコースで肉より魚を先に出す理由
ワインの種類と温度
和食と相性のいいワイン
ワインの甘口と辛口

参考文献 「味覚力」を鍛えれば病気にならない