油脂の安定性

油脂の発煙点
ご存知の通り油脂には様々な種類があります。
これらには、揚げ物をするときに長持ちする油へたりやすい油があります。
その原因の一つは、油脂に含まれる飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比率によるものです。

※ここでは内容を分かりやすくするため、化学的な解説は全て除きます。

飽和脂肪酸
多いほど油脂が安定している。つまり酸化しにくく、傷みにくい。また、安定しているということは、個体であることが多い。

不飽和脂肪酸
不安定なため、酸化しやすい。また、不安定なため液体であることが多い。

食品名 飽和脂肪酸(%) 不飽和脂肪酸(%)
有塩バター 71.5 28.5
牛脂 45.8 54.2
ラード 42.4 57.6
綿実油 22.8 77.2
大豆油 16.0 84.0
ごま油 16.0 84.0
とうもろこし油 14.1 85.9
オリーブオイル 14.1 85.9
サフラワー油 10.0 90.0
なたね油 7.6 92.4

上記の表より、
●飽和脂肪酸が多い《有塩バター》、《牛脂》、《ラード》は安定しているため、常温で個体。それ以外の油は不飽和脂肪酸が多いため液体である。

●《大豆油》や《ごま油》は《なたね油》より飽和脂肪酸が多いため、へたりにくい

油脂の融点が違う理由


ここからは主観です

当たり前ですが、油を代えると料理の味や風味も全然違うものになります。
しかし、油を長持ちさせるため混ぜるという人もいるようで、《なたね油》に《綿実油》や《大豆油》を加えることで、飽和脂肪酸の割合を増やして長持ちさせるようです。

天ぷらにゴマ油とサラダ油
不飽和脂肪酸の多い油を肉にすりこむ
バターは酸化しやすい

参考文献 油脂製品の知識 食品学