味の抑制効果(相殺効果)

対比効果とは逆で、2種類の呈味物質を混ぜたとき、その一方またはその両方の味を弱められる場合である。

①「良いあんばい(塩梅)」の語意どおり、塩味は梅のような酸味(例:漬物,塩さば)やうま味・グルタミン酸(例:汁物,煮物,塩から)によって塩味が弱まりまろやかな味になる。(塩なれ)また、塩味(1~2%)はしょ糖(食塩の7~10倍量)により減少する。

②酸味は、食塩(例:すし酢)やショ糖(例:レモネード)を加えることにより弱く感じられる

③苦味は甘味(例:コーヒー,ビール)や酸味(例:カクテル)によって快い苦みとして感じやすく塩味や少量のうま味によって弱められる。

④甘味は閾値程度の薄い酸やカフェイン,ギムネマ酸(味覚変革物質)によって減少する。

隠し味とは
アルコール刺激を弱める甘味と酸味
調味料を混ぜると味が分からなくなる
煮物は材料が多いと味にまるみが出る

参考文献 NEW調理と理論 総合調理科学事典